歯科材料を手がける松風(本社:京都市)は6日、独製薬大手メルツの歯科材料子会社メルツ・デンタルを完全買収することで合意したと発表した。経営のグローバル化に向けた取り組みの一環。取得価格はアドバイザリー費用なども含めて1,645万4,000ユーロ(22億2,100万円)に上る。3月末の株式取得を見込む。メルツは経営資源を美容、神経毒分野に絞り込む方針で、周辺事業の整理を進めている。
松風は2022年の創立100周年に向けた取り組みのなかで、海外事業の拡大を目指している。具体的には海外で販売網、研究開発・生産機能を強化したい考えだ。
ドイツを代表する人工歯メーカーであるメルツ・デンタルを買収すると、高いブランド力のほか、同国の直販ルート、生産拠点を確保できる。メルツ・デンタルにとっても松風の世界ネットワークを活用して自社製品をドイツ以外で販売できるメリットがある。
メルツ・デンタルは独北部のリュトイェンブルクに拠点を置く企業で、従業員数は約200人。2014年6月期の売上高は1,602万ユーロだった。