欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/2/23

西欧

スペインのカイシャバンク、ポルトガル大手銀にTOB

この記事の要約

スペイン3位銀行のカイシャバンクは17日、44.1%を出資するポルトガル大手銀行のバンコBPIを買収すると発表した。株式を公開買い付け(TOB)を実施して全株式を取得し、完全子会社化する。 1株当たりの買い取り価格は1. […]

スペイン3位銀行のカイシャバンクは17日、44.1%を出資するポルトガル大手銀行のバンコBPIを買収すると発表した。株式を公開買い付け(TOB)を実施して全株式を取得し、完全子会社化する。

1株当たりの買い取り価格は1.329ユーロ。前日終値に27%を上乗せした水準となる。残る全株式を取得した場合の買収額は10億ユーロに上る。

カイシャバンクは時価総額でバンコ・サンタンデール、バンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア(BBVA)に次ぐ国内3位の銀行。国内での事業展開に特化しており、支店数では上位2行を上回る。業績はスペイン経済の復調を受けて好調で、2014年の純利益は約2倍の6億2,000万ユーロに拡大した。

同行は好業績を背景に買収を進めており、昨年に英大手銀行バークレイズのスペイン事業の大部分を買収したばかり。BPI買収によってポルトガルに大きな事業基盤を確保する。

BPIは国内4位の上場銀行で、11%のシェアを持つ。同行は昨年に経営危機に陥ったポルトガル大手銀行バンコ・エスピリト・サント(BES)の優良資産を引き継いだ新銀行ノボバンコの買収に乗り出すと目されていた。カイシャバンクはBPIに続いてノボバンコも買収する意向を示しており、両買収が実現すると融資ベースでポルトガル最大の銀行となる見込みだ。