欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/3/2

EU産業・貿易

加盟国の最低賃金に大きな格差、最大10倍超に

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットは2月26日、加盟国の最低賃金に関する最新の統計を発表した。これによると、月額の法定最低賃金は西欧と中東欧諸国で大きな格差があり、最高のルクセンブルクは最低のブルガリアの10倍を超えている。購買力 […]

EU統計局ユーロスタットは2月26日、加盟国の最低賃金に関する最新の統計を発表した。これによると、月額の法定最低賃金は西欧と中東欧諸国で大きな格差があり、最高のルクセンブルクは最低のブルガリアの10倍を超えている。購買力平価(PPS)を考慮しても格差は4倍に上る。(表参照)

同統計はEU28カ国のうち、法定最低賃金を導入していないイタリア、デンマーク、オーストリア、フィンランド、スウェーデン、キプロスを除く22カ国の今年1月1日現在の月額最低賃金(非ユーロ圏はユーロ建てに換算。)をまとめたもの。最低賃金が月額制でないドイツ、フランス、英国などは月額に換算した。

最高はルクセンブルクの1,923ユーロ、最低はブルガリアの184ユーロ。1,000ユーロを超えたのはルクセンブルクのほかドイツ、フランス、英国など7カ国だった。500~1,000ユーロとなっているのはスペイン、ギリシャなど5カ国。ブルガリア、ポーランド、ルーマニアなど10カ国は500ユーロを下回った。中東欧で500ユーロを超えたのはスロベニアだけだ。

ギリシャとアイルランドを除く20カ国では、最低賃金が2008年1月の水準から上昇した。上げ幅はルーマニアが95%、ブルガリアが64%、スロバキアが58%、ラトビアが57%と5割を超えた。ギリシャは14%減、アイルランドは横ばいだった。