欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/4/13

EUその他

欧州主要都市の大気汚染対策でルクセンブルクが最下位、環境NGOの調査で判明

この記事の要約

国際環境保護団体フレンズ・オブ・ジ・アース(FOE)ドイツ支部は3月31日、欧州23都市を対象に実施した大気汚染への取り組みに関する調査結果を公表した。それによると、欧州主要都市の中で最も大気汚染対策が進んでいるのはスイ […]

国際環境保護団体フレンズ・オブ・ジ・アース(FOE)ドイツ支部は3月31日、欧州23都市を対象に実施した大気汚染への取り組みに関する調査結果を公表した。それによると、欧州主要都市の中で最も大気汚染対策が進んでいるのはスイスのチューリヒで、逆にルクセンブルクは最も取り組みが遅れていることが明らかになった。

今回の調査は二酸化炭素(CO2)排出量の削減幅、高濃度の汚染物質を排出する車両の入域を制限する「低排出ゾーン」の設置、環境負荷の少ない持続可能な輸送システム、渋滞税などの経済的インセンティブ、公共交通機関の利用促進、徒歩や自転車による移動の奨励など9項目について、各都市の取り組みをプラス2~マイナス2の5段階で評価。全項目でプラス2を獲得した場合のポイント数に対する獲得ポイントの割合(%)を基に、総合評価を「A+」~「F-」でランク付けしたもので、獲得ポイントが90%以上の最高ランク「A」に該当する都市はなかった。

トップに立ったチューリヒの総合評価は「B+」(ポイント獲得率89%)で、コペンハーゲンが「B」(同87%)で2位につけた。両都市とも3年前の前回調査に比べて自動車の数が大幅に減少したことや、ディーゼル車や大型トラックなど環境負荷の高い車両に対する規制の強化などが高評価につながった。3位以下はウィーン(B)、ストックホルム(B-)、ベルリン(C)と続き、ロンドンとパリも「C」ランクに位置している。

一方、最下位のルクセンブルクは環境対応車の公共調達と公共交通機関の利用促進でプラスの評価を得たものの、それ以外の項目はゼロかマイナスの評価で、総合評価はポイント獲得率が60%未満の「F」にランク付けされた。リスボン、ローマ、マドリード、グラスゴー、ダブリンも同じく「F」にランク付けされている。