欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/5/11

総合 – 欧州経済ニュース

ユーロ圏の15年成長率、1.5%に上方修正=欧州委

この記事の要約

欧州委員会は5日発表した春季の経済予測で、ユーロ圏の2015年の域内総生産(GDP)予想伸び率を1.5%とし、前回(2月)の1.3%から0.2ポイント上方修正した。ただ、債務問題を抱えるギリシャについては大幅に下方修正し […]

欧州委員会は5日発表した春季の経済予測で、ユーロ圏の2015年の域内総生産(GDP)予想伸び率を1.5%とし、前回(2月)の1.3%から0.2ポイント上方修正した。ただ、債務問題を抱えるギリシャについては大幅に下方修正した。(表参照)

欧州委はユーロ安や原油価格の下落、欧州中央銀行(ECB)の量的金融緩和が景気を押し上げると予想。欧州経済の状況が「春季としては、ここ数年で最も明るい」(モスコビシ経済・金融担当委員)として、成長予測を引き上げた。

16年の予想成長率は前回と同じ1.9%とした。EU28カ国ベースでは15年が1.8%、16年が2.1%。15年は前回から0.1ポイント上方修正し、16年は据え置いた。

15年の予想成長率を国別にみると、ドイツが内需拡大などを見込み、1.5%から1.9%に上方修正された。フランスは1.1%、イタリアは0.6%、スペインは2.8%、英国は2.6%。フランスは0.1ポイントの下方修正、スペインは0.5ポイントの上方修正となった。イタリアと英国は変わらず。

一方、ギリシャは0.5%となり、前回の2.5%から2ポイント引き下げられた。欧州委は同国の債務問題の先行きが不透明で、経済政策に「明確なスタンス」がないと指摘した。

欧州委は景気回復に伴い、消費者物価が緩やかに上昇し、雇用も改善すると予想。ユーロ圏のインフレ率に関しては、15年がプラス0.1%とし、前回のマイナス0.1%から上方修正。15年の失業率は11%と、0.2ポイント下方修正した。