チェコ政府は3日、レストランやバーなどでの喫煙を全面的に禁止する法案を閣議決定した。成立には国会の承認と大統領の署名が必要だが、愛煙家として知られるゼマン大統領は拒否権を行使しない意向を表明しており、過去に何度も頓挫した禁煙ルールの導入がようやく実現しそうだ。
欧州委によると、EUでは17カ国で公共の建物、公共交通機関、職場などでの喫煙が全面的に禁止されている。一方、これまでチェコではEU加盟国の中で唯一、レストランでの喫煙が認められていた。喫煙率はEU平均の26%をわずかに下回るものの、15~24歳の若者が喫煙者の約4割を占めるとされ、若年層の飲酒と並んで深刻な社会問題になっている。
法案によると、電子たばこも規制の対象となり、学校、映画館やコンサートホールなどの娯楽施設、スポーツ施設、公共交通機関も禁煙エリアに含まれる。違反者には最高5,000チェコ・コルナ(約180ユーロ)の罰金が科されるほか、施設側も最高で50万チェコ・コルナの支払いを命じられる可能性がある。