欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/6/15

EU情報

欧州委がアマゾンを競争法違反で調査、電子書籍の販売めぐり

この記事の要約

欧州委員会は11日、ネット通販大手の米アマゾンが電子書籍の販売でEU競争法に違反している疑いがあるとして、正式な調査を開始したことを明らかにした。アマゾンが欧州電子書籍市場での独占的な地位を悪用し、出版社との契約に競争制 […]

欧州委員会は11日、ネット通販大手の米アマゾンが電子書籍の販売でEU競争法に違反している疑いがあるとして、正式な調査を開始したことを明らかにした。アマゾンが欧州電子書籍市場での独占的な地位を悪用し、出版社との契約に競争制限的な条項を盛り込んだ疑いで調査を進める。

欧州委が問題視しているのは、契約している出版社に対して◇他の電子書籍販売会社がアマゾンより有利な条件を提示した場合に、アマゾンに知らせる◇アマゾンが他社と同等以上の条件を設ける――ことを認めさせる条項。これについて欧州委は、アマゾンが独占的地位を乱用し、ライバル企業が革新的な新製品、サービスを展開するのを妨げている疑いがあるとしている。調査は電子書籍の最大の市場である英語、ドイツ語の書籍に絞って進めるという。

これに関してアマゾンは、同条項は合法的なもので、消費者にとっても有益と反論。欧州委の調査に協力しながら、正当性を立証していくとしている。