欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/6/15

西欧

ドイツ銀行、共同CEOが辞任

この記事の要約

独最大手銀行のドイツ銀行は7日、共同最高経営責任者(CEO)のアンシュー・ジェイン氏とユルゲン・フィッチェン氏がそろって辞任すると発表した。違法行為に伴う巨額の制裁などで株価が低迷し、株主の不満が高まっていることを受けた […]

独最大手銀行のドイツ銀行は7日、共同最高経営責任者(CEO)のアンシュー・ジェイン氏とユルゲン・フィッチェン氏がそろって辞任すると発表した。違法行為に伴う巨額の制裁などで株価が低迷し、株主の不満が高まっていることを受けたもの。後任には英国人のジョン・クライアン監査役(54)が就任する。コンプライアンス体制の強化と財務基盤の強化が課題となる。

ジェインCEOは今月末で辞任し、クライアン監査役が後を継ぐ。フィッチェンCEOはドイツの政財界に幅広い人脈を持つことから、当面は現職にとどまってクライアン氏をサポートし、来年5月19日の株主総会で辞任する。

ジェイン氏とフィッチェン氏は2012年5月、アッカーマン前CEOの後任として共同CEOに就任した。ジェイン氏は利益の大半を稼ぎ出す投資銀行部門を統括していたため、CEO就任以前からアッカーマン氏の後継候補と目されていた。ただ、インド人でドイツの政財界に人脈を持たないうえ、投資銀行畑の経験しかないことから、フィッチェン氏がサポート役の形で共同CEOに就いた経緯がある。

次期CEOのクライアン氏は08年から11年にかけてスイス大手銀行UBSの最高財務責任者(CFO)を務め、その後は昨年までシンガポール国営投資ファンド、テマセクの欧州事業を統括してきた。ドイツ銀の監査役には13年に就任した。