スイス連邦道路局(FEDRO)は2日、排ガス不正が発覚した独フォルクスワーゲン(VW)グループの車両について、5日から新車登録を暫定的に禁止すると発表した。環境保護を理由としており、国外から輸入した該当中古車も禁止対象とする。すでに登録されている車両については引き続き走行を認める。
登録禁止の対象となるのは「1.2TDI」「1.6TDI」「2.0TDI」エンジンを搭載したアウディ、セアト、シュコダ、VWブランドのディーゼル車で、欧州排ガス基準「ユーロ5」に対応したモデル。2009年式から2014年式の車両が該当する。
VWグループでは違法なソフトウエアを使ってディーゼル車の排ガス値を操作していたことが先月中旬に発覚した。該当する車両は世界で計1,100万台に上る。
VWの排ガス不正問題をめぐっては株主が損害賠償請求訴訟を起こしたことが同日、分かった。ブラウンシュヴァイク地方裁判所が明らかにしたもので、西南ドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州に住む個人投資家が訴状を提出した。同問題で株主が裁判を起こしたのは今回が初めて。
同投資家は4月と7月にVWの優先株を購入。VWの不正発覚で株価が急落したことで約2万ユーロの損失が生じた。VWに適時開示義務違反があったとして、1株当たり約60ユーロの支払いを要求している。