トヨタ自動車は16日、欧州統括会社のトヨタ・モーター・ヨーロッパ(TME)を通じて英工場に2億4,000万ポンド(約340億円)を超える新規投資を行うと発表した。英国のEU離脱によって経営環境は不透明となるが、同工場の競争力を高めるため、追加投資を決めた。
対象となるのは英国の生産拠点であるバーナストン工場の増強。次世代の車両技術「TNGA」を活用した車両の生産に必要となる設備、システムの導入を進める。英政府は同投資に伴い、工場の人材育成、研究開発、環境負荷低減活動に最大2,130万ポンドを支援する。
バーナストン工場では「アベンシス」「オーリス」を生産している。2016年の生産台数は約18万台だった。
英国の自動車業界では、EU離脱によって単一市場へのアクセスを失い、輸出する完成車や輸入する部品に関税がかけられ、事業が厳しくなるとの懸念が広がっている。トヨタは追加投資に踏み切るものの、TMEのヨハン・ファンゼイル社長は声明で「バーナストン工場の今後の発展には、引き続きEU市場への関税かつ非関税障壁のない自由なアクセスを保つことが必要不可欠だ」と釘を刺した。