欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/6/23

西欧

英ボーダフォンが伊コブラ買収、コネクテッドカー参入へ布石

この記事の要約

携帯電話サービス大手の英ボーダフォンは16日、フリート管理ソリューションを手掛けるイタリアのコブラ・オートモーティブ・テクノロジーズを買収することで合意したと発表した。「コネクテッドカー」(ネット接続型自動車)事業参入の […]

携帯電話サービス大手の英ボーダフォンは16日、フリート管理ソリューションを手掛けるイタリアのコブラ・オートモーティブ・テクノロジーズを買収することで合意したと発表した。「コネクテッドカー」(ネット接続型自動車)事業参入の布石となるもので、買収額は1億4,500万ユーロに上る。

コネクテッドカーは、インターネットを介して車同士や車と道路インフラの間で事故や渋滞などの情報を共有し、道路交通の効率性や安全性を高めるとともに、自動車を高度な情報端末と位置付けて、地図・気象情報や音楽・動画配信など多様なサービスの提供を可能にするもの。

コブラは自動車メーカーや自動車販売業者に、車がどのように運転されているかを追跡できるサービスなどを提供している。その技術は保険会社が事故原因を特定する際にも活用されている。2013年の売上高は1億4,460万ユーロ。

ボーダフォンはネット・ブラウザー、オンライン音楽端末、遠隔車両診断システムなどの機器が、通信ネットワークを介して互いに情報をやり取りし、自動的に制御を行う機械間通信(M2M)システムを構築し、コネクテッドカー事業に参入する計画。その実現に向けて、コブラの技術を取り込む。

ボーダフォンはコブラの株式74%を握る主要株主から持ち株を1株当たり1.49ユーロで取得することで合意済み。さらに少数株主が持つ株式20%を2,000万ユーロで取得することでも同意を取り付けている

ボーダフォンの担当幹部は「ボーダフォンとコブラが組むことで、コネクテッドカーのサービスで新たなグローバル規模のプロバイダーが誕生する」とコメントした。