日亜化学工業は20日、独照明大手オスラムと光半導体に関する特許の協力関係拡大に向けて交渉を開始すると発表した。両社がこれまでに締結したクロスライセンス契約の効果が出ているためで、協力関係を拡大することで技術的な優位性を保つ考えだ。
日亜とオスラムは2002年と10年に特許のクロスライセンス契約を結び、窒化物半導体、青色・緑色・白色LED、半導体レーザーに関する特許の共有を進めてきた。この関係をさらに深めるために、日亜の小川裕義社長とオスラム子会社オスラムオプトセミコンダクターのアルド・カンパー最高経営責任者(CEO)は独フランクフルトで開催中の見本市「ライト+ビルディング」で今回の発表を行った。
小川社長は「これらの特許により2010年からの8年間で、半導体製造の薄膜結晶成長、LED用蛍光体およびパッケージング等様々な分野の技術が飛躍的に進展した」と述べ、これまでの協力関係の成果を強調した。
一方、オスラムは19日、独同業トリラックスから子会社BAGエレクトロニクスを買収することで合意したと発表した。照明制御分野のノウハウを強化する狙い。買収金額は明らかにしていない。
BAGは電子安定器、LED照明システムやヒューマン・セントリック・ライティング(HCL)用制御ソフトを手がける企業。HCLは光が人に与える影響を考慮した照明で、明るさや色の調整によって集中力を高めたり、生活リズムを改善する効果がある。オフィスや工場の照明具合を時間帯によって変えることで、従業員の精神に好影響をもたらすこともできる。