欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2020/3/2

EU情報

欧州委が財政規律緩和検討、新型コロナ感染の伊など対象に

この記事の要約

欧州委員会は新型コロナウイルスの感染が拡大しているイタリアなどユーロ圏の国に対して、EUの財政規律の柔軟な運用を適用することを検討している。

ただ、不測の事態に直面した場合は、特例的に同ルールを柔軟に運用し、関連支出を赤字として勘定しないことがある。

欧州委はイタリアなどが感染防止や景気対策に多額を支出できるようにするため、財政規律の特例措置を適用する方向で検討中。

欧州委員会は新型コロナウイルスの感染が拡大しているイタリアなどユーロ圏の国に対して、EUの財政規律の柔軟な運用を適用することを検討している。ジェンティローニ委員(経済政策担当)が2月26日の記者会見で明らかにした。

EUの財政規律を定めた安定成長協定では、ユーロ圏各国の赤字を厳しく制限しており、多額の債務を抱えるイタリアなどは財政緊縮を求められる。ただ、不測の事態に直面した場合は、特例的に同ルールを柔軟に運用し、関連支出を赤字として勘定しないことがある。

欧州ではイタリア、フランス、ドイツ、スイスなどで新型コロナウイルスの感染者が出ている。とくにイタリアは、北部を中心に感染が急拡大しており、経済が大きな打撃を受けるのが確実な情勢だ。

欧州委はイタリアなどが感染防止や景気対策に多額を支出できるようにするため、財政規律の特例措置を適用する方向で検討中。ジェンティローニ委員によると、数カ月以内に関係国と協議し、特例扱いを認めるかどうかを決める方針だ。