欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/9/1

西欧

テレフォニカ、ビベンディのブラジル子会社買収で交渉開始

この記事の要約

仏メディア・通信大手ビベンディは8月28日、ブラジルのインターネット接続サービス子会社GVTの売却について、スペイン通信最大手テレフォニカと独占交渉を開始すると発表した。GVTにはイタリア通信最大手のテレコムイタリアも買 […]

仏メディア・通信大手ビベンディは8月28日、ブラジルのインターネット接続サービス子会社GVTの売却について、スペイン通信最大手テレフォニカと独占交渉を開始すると発表した。GVTにはイタリア通信最大手のテレコムイタリアも買収を提案したが、ビベンディは条件で勝るビベンディの提案を前向きに評価し、交渉を進める。

テレフォニカは8月5日、ビベンディに総額67億ユーロでのGVT買収を提案。テレコムイタリアが対抗してGVTの買収に乗り出すとの観測が浮上したことから、28日に買収額を74億5,000万ユーロに引き上げた。現金46億6,000万ユーロを支払うほか、ビベンディが買収で誕生する新会社の株式12%を受け取るという内容だ。当初の提案で39億2,000万ユーロだった現金での支払いを大幅に増やした。

テレフォニカはブラジルで、子会社ビボを通じて携帯電話サービス事業を展開しており、同分野で最大のシェアを持つ。ネット接続サービスのほか有料テレビ事業を手掛けるGVTの買収に成功すると、同国最大の通信会社となる。

ブラジルで携帯電話サービス部門TIMを展開するテレコムイタリアは、同国での事業基盤を拡大するため、テレフォニカに対抗してGVTを買収することを決め、28日に総額70億ユーロでの買収を提案した。しかし、総額だけでなく現金支払いも17億ユーロとテレフォニカに及ばないことから、ビベンディはテレフォニカとの独占交渉に応じることを決めた。同交渉の期間は3カ月。

ビベンディは中核のメディア事業に経営資源を集中する戦略に沿って、GVTの売却を計画していた。