欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/9/22

総合 – 欧州経済ニュース

スウェーデン総選挙で与党敗北、8年ぶり政権交代へ

この記事の要約

スウェーデンで14日行われた任期満了に伴う議会(定数349)総選挙は、ラインフェルト首相率いる中道右派四党の与党連合が社会民主労働党を中核とする中道左派連合に敗北を喫した。首相は選挙結果を受けて辞表を提出し、8年ぶりに政 […]

スウェーデンで14日行われた任期満了に伴う議会(定数349)総選挙は、ラインフェルト首相率いる中道右派四党の与党連合が社会民主労働党を中核とする中道左派連合に敗北を喫した。首相は選挙結果を受けて辞表を提出し、8年ぶりに政権が交代する見通しとなった。ただ、勝利した左派陣営も獲得議席は過半数に届かず、少数与党で難しい政権運営を迫られそうだ。

2006年に発足したラインフェルト政権は、減税や民営化による経済活性化を推進。スウェーデンが08年の金融危機以降も欧州平均を上回る経済成長を達成したのはこうした改革の成果だと評価する声がある一方で、市場重視の政策が格差の拡大や福祉・教育の質の低下を招き、高福祉国としてのイメージが損なわれたとの批判を浴びていた。

社会民主労働党と左翼党、緑の党の左派3政党は与党の政策を批判し、教育や福祉の向上を訴えて158議席を獲得、与党連合の142議席を上回った。次期首相への就任が有力視される社会民主労働党のロベーン党首は緑の党などと連立交渉に入る方針を示している。同党首はストックホルムで支持者を前に「状況は深刻だ。何千もの人が失業し、学力はどの経済協力開発機構(OECD)諸国よりも低下している」と危機感を示し、「スウェーデンには変革が必要だ」と強調した。

今回の総選挙では、移民の規制を訴える極右政党のスウェーデン民主党が20議席から49議席へと大幅に勢力を拡大させ、第3党に躍り出た。オーケソン党首はスウェーデン・テレビのインタビューで、スウェーデン民主党がもはや無視できない存在となっと指摘。「私たちと話し合う、あるいは耳を傾けようとしないのであれば、この国を今後4年間治めていくのは難しくなるだろう」と述べた。