欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2021/2/8

EU情報

10~12月のユーロ圏GDP0.7%減、2四半期ぶりのマイナス成長に

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが2日に発表した2020年10~12月期のユーロ圏の域内総生産(GDP、速報値)は実質ベースで前期比0.7%減となり、2四半期ぶりのマイナス成長に落ち込んだ。前期に12.4%増と急回復した反動と、 […]

EU統計局ユーロスタットが2日に発表した2020年10~12月期のユーロ圏の域内総生産(GDP、速報値)は実質ベースで前期比0.7%減となり、2四半期ぶりのマイナス成長に落ち込んだ。前期に12.4%増と急回復した反動と、新型コロナウイルス感染再拡大で多くの国が再び外出・営業制限を強化したことが響いた。通年の成長率はマイナス6.8%で、統計を取り始めた1996年以降で最大の下げ幅となった。(表参照)

前年同期比では5.1%減。マイナス幅は前期の4.3%から拡大した。EU27カ国ベースのGDPは前期比0.5%減、前年同期比4.8%減。通年では6.4%減だった。

データが出そろっているEU11カ国の前期比の成長率は、ドイツが0.1%、スペインが0.4%のプラス。ドイツは個人消費が低迷したが、輸出が伸び、小幅ながらプラス成長を維持した。フランスは1.3%減、イタリアは2.0%減だった。前年同期比ではすべての国がマイナスとなった。

ユーロ圏の10~12月期のGDP下げ幅は、ドイツ、スペインがプラス成長となったことなどで予想を下回ったが、1.0%増の米国、6.5%増だった中国と比べてコロナ禍が経済を大きく圧迫していることが鮮明になった

欧州では新型コロナワクチンの接種が米中などより遅れており、変異ウイルスの大きな脅威にもさらされている。ロックダウン(都市封鎖)など外出・営業制限措置も長期化が必至で、ユーロ圏は今後も景気回復がもたつくのは避けられない見込み。国際通貨基金(IMF)1月26日に発表した最新の世界経済見通しで、ユーロ圏の21年の予想成長率を4.2%とし、前回の5.2%から1.0ポイント下方修正した。