欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/10/20

EU産業・貿易

EUがスリランカからの水産品輸入禁止へ、違法漁業めぐる制裁で

この記事の要約

欧州委員会は14日、スリランカが違法漁業対策を怠っているとして、EUが制裁措置として同国からの水産製品輸入を禁止することを提案した。加盟国の承認を経て、2015年1月中旬をめどに実施する。一方、同様の問題でベリーズに発動 […]

欧州委員会は14日、スリランカが違法漁業対策を怠っているとして、EUが制裁措置として同国からの水産製品輸入を禁止することを提案した。加盟国の承認を経て、2015年1月中旬をめどに実施する。一方、同様の問題でベリーズに発動していた禁輸措置は解除を決めた。

EUでは2010年に施行された違法・無届け・未規制(IUU)漁業を取り締まる規則に基づき、乱獲など国際ルールに反した違法漁業を行っている域外の第3国の水産物が域内で流通することを禁止する方針を打ち出している。欧州委員会は12年11月、スリランカ、カンボジア、ギアナ、ベリーズ、フィジー、パナマ、トーゴ、バヌアツの8カ国で違法漁業が横行しているとして警告を行い、うちカンボジア、ギアナ、ベリーズに対して昨年11月に水産製品の輸入を禁止する措置を発動していた。

欧州委はスリランカが警告から4年が経っても、大型漁船にGPSを搭載させることで違法漁業を監視するといった措置を講じていないとして、新たに制裁対象に加えることを決めた。

一方、ベリーズに関しては、違法漁業対策が強化され、状況が改善したと判断し、制裁解除を提案。また、パナマ、フィジー、トーゴ、バヌアツの4カ国について、同様の理由で警告対象から外すことも決めた。

スリランカはEUへの水産品輸出で世界2位。昨年はカジキマグロ、マグロなどの加工品を中心に7万4,000トン、金額にして約7,400万ユーロ相当を輸出した。このためEUの禁止措置は同国の水産業界にとって大きな打撃となる。