2011/5/4

コーヒーブレイク

ロシア人は紅茶がお好き

この記事の要約

ロシア人の飲み物といえばウォッカが思い浮かぶが、ノンアルコールならばお茶の人気が高い。1人当たりの年間消費量は1.2キロで日本を上回る。伝統的に紅茶を飲む習慣があり、朝食時、昼食・夕食後のほか、くつろぎの一杯としても楽し […]

ロシア人の飲み物といえばウォッカが思い浮かぶが、ノンアルコールならばお茶の人気が高い。1人当たりの年間消費量は1.2キロで日本を上回る。伝統的に紅茶を飲む習慣があり、朝食時、昼食・夕食後のほか、くつろぎの一杯としても楽しまれている。

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国内では南西部のクラスノダルで生産されているが、その規模は消費量に比べるとごくわずか。このため、17万トン強の国内年間需要のうち98%を輸入に頼る。2010年の総輸入量(再輸出を含む)は18万トンで、輸入高は前年比12%増の5億6,31万米ドル。ロシアは世界最大の輸入国でもある。

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一般的には安くて濃い紅茶が好まれる傾向にある。サモワールでゆっくり楽しむ伝統は失われていないものの、現代の忙しい生活にマッチしたティーバッグの需要が伸びている。紅茶販売高に占めるティーバッグの比率は半分弱に上り、金融危機による不況のなかでも売れ行きが鈍ることはなかった。ただし、包装個数の多い「お徳用パック」に需要がシフトしたようだ。最近ではピラミッド型ティーバッグが確実にシェアを伸ばしている。

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量ベースでの市場規模が今後、大きく拡大することは望めない。このため、国内の製茶産業の競争が激しくなりつつある。コストを下げるため、茶葉や香料、花弁など輸入した原料を国内で調合し、包装・出荷するケースが増え、現在では85%が国内で加工されている。

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ロシアの製茶産業は、再編が最も進んでいる産業の一つで、ユニリーバ、メイ、オリミトレード、SDSフーズの4社を合わせた市場シェアは70%を超える。

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