欧州復興開発銀行(EBRD)は30日、チェルノブイリ原子力発電所で事故を起こした4号機を覆うシェルターの建設費として、1億2,000万ユーロ以上を寄付する方針を明らかにした。プロジェクト資金の調達・管理業務を担当する同行は、自行を除く寄付金総額の25%を提供する意向だ。日本もすでに4,570万ユーロの負担を約束しており、EBRDによれば、金額を上乗せする方向という。どの国・機関がどれぐらいの金額を寄付するかは、19日にキエフで開かれるチェルノブイリ国際会議で明らかになる予定だ。
\伊澤正・在ウクライナ日本国大使はドイツ外国語放送局ドイチェ・ヴェレのインタビューで、地震・津波災害や福島原発事故で日本が遭遇している困難にもかかわらず、チェルノブイリ関連プロジェクトの資金的支援を継続する方針を明確にした。また、「これまでは日本がウクライナを(一方的に)支援するという関係だったが、今後は人災(原発事故)がもたらす影響の克服に向けて経験を交換していければ」と話し、放射能対策でウクライナの協力を望む姿勢を示している。
\1986年4月26日のチェルノブイリ原発事故から今年で25周年を迎える。当時のソ連政府は暫定措置として、爆発した4号機をコンクリートで固めた。この建造物は通称「石棺」と呼ばれる。耐用年数を10年と想定して建てられただけに、25年の歳月に傷みが目立ち、放射性物質の漏えいが懸念されている。
\このため、ウクライナ政府は現在、事故現場を石棺ごと覆う、鉄骨製の格納施設(シェルター)を建設中だ。その大きさは長さ150メートル、幅260メートル、高さ105メートルで、2015年に完工する予定。16億ユーロと見込まれる総工費のうち、まだ7億4,000万ユーロが不足している。
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