スイスの高級アクセサリーメーカーであるリシュモンが、ロシアのアパレル販売業者、リター・ジェントルマンを相手取った商標権裁判で勝訴した。海賊版が横行するロシアで、オリジナルと異なる商品でも商標権が保護されることを示した、画期的な判決として注目を集めている。
\問題となったのは、リシュモンの最高級時計ブランド「ジャガー・ルクルト」と「ヴァシュロン・コンスタンタン」の名称をリター・ジェントルマンが衣料品およびアクセサリーに使用したことだ。先月末までに、どちらについてもリシュモンの権利を認める判決が下った。
\リター・ジェントルマンはモスクワおよび近郊で約25店を展開する。2005年、時計以外の商品について「ヴァシュロン・コンスタンタン」の名称およびオリジナルに酷似したロゴをロシア商標局(ロスパテント)に登録した。中価格帯のティーシャツやコートのブランドとして用いていた。判決を下したモスクワ上級裁判所は商標局に登録抹消を命じた。
\「ジャガー・ルクルト」については控訴審に持ち込まれている。
\両ブランドは、価格が5,000スイスフラン(43万2,000円)からというリシュモンでも最も高級な時計ブランドだ。スイス時計業界のコピー商品による損害額は年間8億フランに達すると推測される。今回は時計のコピーではなかったが、商標権保護がブランドイメージの維持に必要と判断された点が画期的で、他国の裁判にも影響するとみられている。
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