2010/6/9

コーヒーブレイク

ロシアで有望な新ビジネス

この記事の要約

離婚する確率が6割近くに達するともいわれるロシア(英字紙『モスコウ・タイムズ』による)。そんなロシアで、急速に伸びている新ビジネスがある。\ それは、結婚前に離婚時の財産分与などを定めておく婚姻契約の仲介。法律事務所など […]

離婚する確率が6割近くに達するともいわれるロシア(英字紙『モスコウ・タイムズ』による)。そんなロシアで、急速に伸びている新ビジネスがある。

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それは、結婚前に離婚時の財産分与などを定めておく婚姻契約の仲介。法律事務所などが行っており、まだ件数は少ないものの全国で2005年の約5,000件から09年の2万5,000件に、最近5年間で5倍に急増しているという。

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ソ連時代は私有財産が禁止されていたため婚姻契約を結ぶ必要がなく、そもそも「結婚前に終わったときの契約を結ぶなど、センチメンタルなロシア人の性に合わない」(モスクワの心理療法士テスラー氏)ため、これまで婚姻契約はロシアで普及してこなかった。だが近年、英プロサッカークラブ・チェルシーのオーナーであるアブラモビッチ氏、モスクワ市長ルシコフ氏おいのバトゥーリン氏、化学肥料大手ウラルカリのオーナー、ルィボロフレフ氏など、国内有数の富豪ビジネスマンが離婚で多額の慰謝料を支払わなければならない様子をメディアが伝え、市民の意識も変化してきたもよう。世論調査大手レバダ・センターが2008年に行った調査によると、すでに市民の59%が婚姻契約で財産分割を決めることを承認するとしている。

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ただ、婚姻契約の“先進国”ドイツでは、あまりに細かい契約を決めようとして結婚前に仲たがいし、別れてしまうケースも少なくないとか。良くも悪くも「いい加減」なロシアで、婚姻契約がどこまで根付くか注目される。

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