ポーランドのプシュビウ軍事検察官が9日、記者会見の途中で自殺を図った。これにより、同国に衝撃が走るとともに、民事検察と軍事検察の対立や統合計画が耳目を集めている。
\軍事検察庁は、2010年春にレヒ・カチンスキー大統領(当時)が乗った空軍機がロシアのスモレンスク近くで墜落し、96人が死亡した事故を捜査している。捜査の極秘情報がメディアでたびたび報じられたことから、2010年末以来、プシュビウ検察官が漏えい元を調査していた。
\一方、2人のジャーナリストは、軍事検察庁が捜査のために、裁判所の許可なしに携帯電話会社に交信記録を照会していたとしてプシュビウ検察官を激しく批判。9日の記者会見はこれを否定するために軍事検察庁が開いたものだった。
\プシュビウ検察官は会見で、批判には根拠がなく、自身は法に抵触する行為を一切行っていないと言明。民事検察庁のセレメト最高検察官にも捜査について自ら報告していたと強調した。
\また、軍事検察庁を批判するメディア報道が増えていることについて、軍事検察庁を民事検察庁に編入する案が議論されている事実を指摘。賛成派が軍事検察庁を攻撃するキャンペーンをスタートさせ、メディアがこれに乗っかったことが背景にあるとした。さらに、軍事検察庁が国防省の調達入札ではびこる汚職を防ぐ「最後の砦(とりで)」とその存在意義を強調し、民事検察庁を暗に批判した。
\その後の休憩時間に、同検察官は拳銃を口にくわえて発射し自殺を図った。直後に発見されて病院に輸送され、一命は取り留めたもようだ。
\自殺未遂を受けてセレメト最高民事検察官がプシュビウ検察官の捜査について、いくつか批判を表明したのに対し、パウルスキー最高軍事検察官はプシュビウ検察官を全面的に支持する姿勢を明確にした。ここでも両検察当局の対立が示された形だ。
\プシュビウ検察官は組織犯罪捜査の硬派として知られており、過去には一度となく自宅が攻撃目標とされたこともある。今回の自殺未遂が個人的な理由によるものなのか、もっと大きな背景があるのか、今後の調査で明らかにしてもらいたいところだ。
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