2010/4/21

コーヒーブレイク

メドベージェフ大統領が葬儀参列、ポーランドで支持集まる

この記事の要約

今月10日に飛行機事故で死亡したポーランドのカチンスキ大統領夫妻の葬儀が17日、同国南部のクラクフで行われた。棺を運ぶ沿道に並んだ人も含め、市民約20万人が大統領の葬儀に集まったとされる。ただ、アイスランドの火山噴火によ […]

今月10日に飛行機事故で死亡したポーランドのカチンスキ大統領夫妻の葬儀が17日、同国南部のクラクフで行われた。棺を運ぶ沿道に並んだ人も含め、市民約20万人が大統領の葬儀に集まったとされる。ただ、アイスランドの火山噴火による火山灰拡散で、ポーランドを含む欧州のほぼ全域で飛行制限がかかったことから、米オバマ大統領や独メルケル首相、仏サルコジ大統領など要人の多くは葬儀への出席を取りやめた。

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そんななか、ロシア・メドベージェフ大統領の出席が注目を集めた。火山灰のなかを飛行すると、エンジンが急停止する可能性があるなどの危険が指摘されるが、大統領は危険を冒して航空機で到着。参列後は、カティンの森事件に関して「スターリンのその部下による犯罪だった」とソ連の非を認め、「ロシアとポーランドの双方が歩み寄り、カティンを含む最も困難な問題でも解決策を探るよう真剣な努力ができると確信している」と述べ、ポーランド市民にロシアとの和解を改めて呼びかけた。

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メドベージェフ大統領の行動に対し、ポーランド日刊紙『Gazeta Wyborcza』のコメンテーター、Klich氏は「メドベージェフ大統領は事故後の対応ですでに多くを行ってくれ、葬儀にまで出席する必要はなかった。それでも来てくれた」と高く評価。ワルシャワ科学アカデミーの社会学教授Rychard氏も「ロシアとの和解には、カティン事件に関する文書の完全な公開と、犠牲者の法的な名誉回復が必要だ」としつつ「ロシアはこれを実現してくれると思う」と期待感を口にした。

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カチンスキ大統領は2008年、ロシアと交戦状態に入ったグルジアを支援するため反ロ派の周辺国首脳を集めて現地に向かうなど反ロ姿勢を鮮明にし、大統領在任中には結局一度もモスクワを訪問することがなかった。だが、皮肉なことにその死をきっかけに、両国の関係改善が進みそうな気配だ。

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