2011/7/27

コーヒーブレイク

ビールもアルコール飲料~ロシア

この記事の要約

ロシアでビールを「アルコール飲料」と認める法律が成立した。目的について政府はアルコールの乱用を防ぐためと説明している。しかし、ビールの消費を抑制する政策で、ウォッカなどアルコール度数の高い酒との価格差が縮まるなど、「依存 […]

ロシアでビールを「アルコール飲料」と認める法律が成立した。目的について政府はアルコールの乱用を防ぐためと説明している。しかし、ビールの消費を抑制する政策で、ウォッカなどアルコール度数の高い酒との価格差が縮まるなど、「依存症対策としての効果がない」との声もあがっている。

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新法により、2013年から、店舗における夜間(23時~8時)のビール販売が禁止されるほか、販売業者は免許取得を義務付けられる。また、来年6月からはアルコール飲料のテレビCMと屋外広告が禁止されるが、ビールもこの対象に入れられることとなった。

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ロシア市場の40%を握るデンマークのビール大手カールスバーグは規制強化で大きな打撃を受けそうだ。すでに、増税などの影響でビールの消費量は縮小しており、ラスムセン社長は6月のサンクトペテルブルグ経済フォーラムで、ロシアの経済政策が将来の予測を難しくしていると批判した。

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ところで、ロシア人男性の平均寿命が短い主な理由の一つとして、以前からアルコールの乱用が指摘されている。世界保健機構(WHO)の調べによると、2005年の純アルコール摂取量は1人当たり15.76リットルと世界でもトップクラス。消費の内訳は、ウォッカなどの蒸留酒が3分の2弱で、ビールが3分の1だ。ライフスタイルの変化でビールの消費が増えてきたロシアだが、2008年の80リットル弱をピークに昨年は66リットル強まで減ってきている。

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