2010/7/28

コーヒーブレイク

未成年の妊娠増加~ポーランド

この記事の要約

ポーランドでは18歳未満で母親になる人が年間2万人ほどおり、その数は増加する傾向にあるという。市民団体によると、性をタブー視するカトリック社会が大きな原因となっているようだ。カトリック教会は「セックスに関して話すことが、 […]

ポーランドでは18歳未満で母親になる人が年間2万人ほどおり、その数は増加する傾向にあるという。市民団体によると、性をタブー視するカトリック社会が大きな原因となっているようだ。カトリック教会は「セックスに関して話すことが、子どもを性行為に走らせる」、「避妊は罪」という態度を崩していない。親も性をタブー視しており、子どもが正しい性知識を得る機会が乏しいのだ。

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同国の学校では、昨年から性教育が必修となったが、実際に授業が行われていないところも多い。授業があっても、避妊や堕胎といったテーマは手付かずのまま。これを反映するように、ティーンエージャーの性知識は乏しく、「お酒を飲めば精子も酔っ払うから大丈夫」、「初めてのセックスでは妊娠しない」といった誤解が流布している。市民団体では、知識の不足が望まない妊娠だけでなく、性病やエイズの感染増にもつながると危惧している。また、堕胎が禁止されているため、非合法手術を受けて健康に障害をきたす危険も指摘する。

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未成年ママに対する国からの特別な金銭的・社会的な支援はなく、多くの家庭は経済的に苦しい。確かに、出産一時金(1,000ズロチ)と、月17ユーロ相当の児童手当は支給される。しかし、1,000ズロチは、オムツ換算で20パックに過ぎず、焼け石に水だ。貧しい家庭ほど子どもが若く妊娠する確率が高いのは、欧州の他国を見ても明らかだが、保守的なポーランドが対策に本腰を入れるのは、まだまだ先になりそうだ。

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