チェコ内務省はこのほど、ブルノに住む空飛ぶスパゲッティ・モンスター教」の信者、ルカス・ノヴィさんに対する身分証明書（IDカード）の交付を拒否した。ザルを頭にかぶった写真が身分証明書には使えないと判断したためだ。
\元の窓口であったブルノ市当局は、プラスチックのザルが「空飛ぶスパゲッティ・モンスター教」の信仰上、欠かせないというノヴィさんの説明を受け入れて、まずは有効期間30日の仮証明書を交付していた。その写真が8月初め、ネットで広まり話題となったことで、内務省がこの件の審査に介入。「空飛ぶスパゲッティ・モンスター教」が宗教団体として認められていないとの理由で正式な身分証の交付を拒否した。
\「空飛ぶスパゲッティ・モンスター教」は2005年、米カンザス州の教育委員会が、創造論を学校教育で扱うことを義務付けようと試みたのがきっかけで生まれたパロディ宗教。「世界は空飛ぶスパゲッティ・モンスターが酒に酔って創造した」という立場から世界の成り立ちを論じて、進化論や創造論と同じように学校で取り上げるよう求めた。
\この後、世界に「信者」が増え、ザルをかぶった写真で公的書類の発行を求める人も多数に上った。実際、2011年にはオーストリアで、今月には米テキサス州でも自動車運転免許証でザル被り写真が認められた。
\ロシアの「信者」は今月17日、モスクワとサンクト・ペテルブルグで、映画「ワンス・アポン・ア・タイム・アメリカ」の主役「ヌードルズ」を演じた俳優ロバート・デ・ニーロさんの誕生日を祝う「パスタ行進」を実施した。しかし、警察やロシア正教団体の妨害にあって中止。8人が逮捕された。ロシア正教が強い同国では、信仰心を傷つける行為ととらえられたようだ。
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