2012/11/28

コーヒーブレイク

臭いチーズに舌鼓~チェコ

この記事の要約

チェコ人に愛されているオロモウツ原産のトヴァルーシュキ(Tvaruzky)チーズ。初めての人はその臭いに尻込みするが、食べているうちにハマってしまいやめられなくなるようだ。納豆のようなものだろうか。一般的にはバターを塗っ […]

チェコ人に愛されているオロモウツ原産のトヴァルーシュキ(Tvaruzky)チーズ。初めての人はその臭いに尻込みするが、食べているうちにハマってしまいやめられなくなるようだ。納豆のようなものだろうか。一般的にはバターを塗ったパンに乗せるか、フライにして食べるが、最近ではトヴァルーシュキを使ったデニッシュ風の菓子・惣菜パンやティラミス、アイスクリームなども登場しているという。

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トヴァールシュキが生産されているのは、プラハの東約200キロメートルに位置するオロモウツ県の小さな町、ロシュティツェだ。1876年に設立されたという工場には、大きな店舗が併設され、近所の喫茶店ではトヴァールシュキを使ったスイーツが味わえる。酒場ではつまみにしたい客向けに自動販売機があるようだ。

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工場では140人の従業員が年間2,000トンのトヴァルーシュキを生産している。100キロメートル離れたハビジョフに住むミロスワフ・ステファニクさんは、定期的に本場の味を調達しに来るという。今回は自分と家族のために手提げ袋2つ分、500コルナ(2,110円)のトヴァールシュキを買った。

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トヴァルーシュキは脂肪分2%とヘルシーだが、スキムミルクを使ったダイエット版の脂肪分はさらにその半分の1%。工場のミロスラフ・ザマネク製造部長は「カロリーが気になる人はステーキの代わりにトヴァールシュキを焼いて食べれば良い」と胸を張る。

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さて、このチーズは2010年に欧州連合の「地理的表示保護(PGI)」の認定を受けた。イタリアのパルメザン、フランスのロックフォールと同じように、他の地方で生産されたものは「オルモウツケー・トヴァルーシュキ」を名乗れない。スロバキアやオーストリア、ドイツ、ハンガリー、ポーランドにも輸出されていることを考えれば商品の差別化が図れる朗報と言えよう。

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ただ、新しい問題も生じている。EUの牛乳品質管理基準や、国際的な要求に応じた衛生管理の向上がトヴァールシュキ独特の臭いを弱めてしまったのだ。

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スイスのエメンタールチーズも、穴が少なくなった理由を探ってみたら、不純物の混入減少だったという。アレルギーが増えた原因が生活環境が「清潔すぎる」ことにある、という説も有力だ。きれいすぎるのも善し悪しということだろうか。

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ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ
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