中東欧で高速道路整備計画の縮小・凍結が相次いでいる。ギリシャに端を発した欧州債務危機を受けて各国政府が財政引き締めを強化し、公共事業費などの支出を削減しているためだ。
\ブルガリア政府は、首都ソフィアと黒海沿岸のヴァルナを結ぶ350キロメートルの高速道路の建設工事を2012年まで凍結。ルーマニアは昨年、49キロメートルの高速道を建設したが、今年に入ってから工事をストップしている。ハンガリー政府は高速道路プロジェクトを縮小し、建設コストが安い複車線道路の整備を進める方針を示している。また、チェコ政府は高速道路の建設費用を2.5%削減するため、仏ユーロヴィアやスウェーデンのスカンスカなどのコントラクターと交渉を行っている。
\世界経済フォーラムがまとめた道路の質に関するランキングによると、ハンガリーは64位、チェコは79位、ポーランドは127位となっている。
\中東欧の交通インフラへの支出は02年に域内総生産の1%を占めたが、08年には1.9%に拡大した。ライフアイゼンバンクのアナリスト、ミヒル氏は、中東欧では共産体制崩壊後に建設ブームが起こり、建設業界が大きな恩恵を受けたが、現在は各国とも財政がひっ迫しており、全く状況が違うと指摘する。チェコのネチャス政権は、13年までに財政赤字を対国内総生産(GDP)比で3%以下に抑制するため、102億コルナ(5億2,500万ユーロ)の支出を凍結。欧州連合(EU)の新規加盟国で最も深刻な財政赤字を抱えるハンガリーは5億4,300万フォリントの歳出カットを実施する計画だ。(1HUF=0.40JPY)
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