2010/9/22

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

独エーオン・ルールガス、クロアチアでガス供給を計画

この記事の要約

独ガス最大手のエーオン・ルールガスが、クロアチア・ガス供給市場への参入を計画している。15日の同社発表によると、クロアチア政府関係者や同国のエネルギー大手と交渉に入った。クロアチアはガス輸入の100%をロシアに依存してお […]

独ガス最大手のエーオン・ルールガスが、クロアチア・ガス供給市場への参入を計画している。15日の同社発表によると、クロアチア政府関係者や同国のエネルギー大手と交渉に入った。クロアチアはガス輸入の100%をロシアに依存しており、ルールガスの参入は政府が推進するガス供給源多様化政策に合致する。

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クロアチアの年間ガス消費量は約30億立方メートル。そのうち65%は自給で、残りはスロベニアを経由する1本のパイプラインを通してロシアから輸入している。国営ガス会社Plinacroはハンガリー経由のパイプラインを敷設中で、輸送ルートは間もなく2本に増える見通しだが、輸入元は依然としてロシアだけだ。

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これに対し、ルールガスは「オーストリア、スロベニア経由またはハンガリー経由でクロアチアにガスを供給できる」とアピールしている。両ルートとも輸送能力が十分で、必要なインフラも完備していると指摘。ハンガリーにあるガス備蓄施設からクロアチアにガスを供給する選択肢も提示した。

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地元メディアによると、ルールガスはクロアチアの石油ガス最大手INAや、ガスの大口需要家である電力大手HEP、化学大手のPetrokemijaやDiokiと交渉を進めているもよう。クロアチアのガス市場は、ハンガリーの石油ガス大手MOLが47%出資するINAが圧倒的シェアを握っている。競合大手のルールガスが参入すると、その独占的な地位が揺らぐ可能性が強い。

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