スロバキアのラディツォバー首相は24日、財務省と民間コンサルティング会社ハイエク・コンサルティングとの間で不透明な取引が行われたとされる疑惑が浮上している問題で、関係者とされる政府高官2人を当面は解任する考えのないことを明らかにした。
\ハイエク・コンサルティングは、右派系シンクタンクのハイエク基金傘下のコンサルティング会社。ハンガリー系政党の「架け橋(Most Hid)」出身のSvejna運輸政務次官とリベラル系政党の「自由と連帯(SaS)」 出身のChren経済政務次官が共同代表を務めていた。今回の疑惑は、有力日刊紙『Sme』が、ハイエク・コンサルティングが2007~08年に財務省から受注した4つの案件のうち3件は公開入札が行われず、不透明な取引だった報じたことで発覚した。問題の案件は、地方自治体向けの効率的予算編成モデルの開発及び全国30自治体におけるパイロットプロジェクト実施を内容としており、契約額はメイン案件が140万ユーロ、残り3件は計9万ユーロだった。ハイエク社はこのほか、Svejna氏とChren氏が次官に任命された直後にも経済省から8,100万ユーロの受注を獲得したが、8月中旬に批判を受けて契約を解消している。疑惑を受けて野党スメルのフィツォ党首は、「前例のないスキャンダルだ」激しく批判、ラディツォバー首相に両次官の解任を求めていた。
\スーリク下院議長(SaS党首)と共同で記者会見した首相は、問題の契約に不透明な点があることは認められるものの、次官を即時に解任する理由にはならないと指摘。今後、財務省とハイエク社の契約内容について会計検査院による調査を行い、不適切であったとの結果がでた場合には、両次官の解任もありうるとの考えを示した。
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