2010/10/6

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ボスニアでエネルギープロジェクト相次ぐ

この記事の要約

ボスニア・ヘルツェゴビナでは1990年代前半の内戦により、エネルギー消費が大きく落ち込んだ。世界銀行が2008年にまとめた報告書によると、同国の経済成長率が4.3~4.8%で推移することを前提とした場合、エネルギー消費量 […]

ボスニア・ヘルツェゴビナでは1990年代前半の内戦により、エネルギー消費が大きく落ち込んだ。世界銀行が2008年にまとめた報告書によると、同国の経済成長率が4.3~4.8%で推移することを前提とした場合、エネルギー消費量が内戦ぼっ発前の90年の水準である368ペタジュールを回復するのは20年以降になる見通しだ。

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ボスニア・ヘルツェゴビナを構成するボスニア・ヘルツェゴビナ連邦とスルプスカ共和国にはそれぞれ電力会社があり、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦ではボシュニャク人を主要顧客とするEP BiHとクロアチア人を顧客とするEP EZHBが、セルビア人主体のスルEP RSが営業している。一方、送電部門はNOS BiHとEE BiHの2社があり、国内全土へ送電を行っている。

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ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦政府は今年初め、22年までに60億ユーロを投じて発電容量を3,434メガワット(MW)増強するという方針を打ち出した。この方針に沿い、電力各社は多くのプロジェクトを計画している。EP BiHは、トゥズラ亜炭火力発電所に8億4,200万ユーロを投資して7号機(出力450MW)を、カカニ石炭火力発電所には6億8,100万ユーロを投資して8号機(同300MW)をブゴイノに5億4,800万ユーロをかけて発電所(300MW)をそれぞれ建設する。カカニに1億ユーロをかけてコンバインドサイクル発電所(100MW)も建設する。また、ポドベレジエには風力発電パークを2カ所(70MW)設置するほか、各地で水力発電設備の建設も計画している。EP EZHBは、コンゴラに11億ユーロをかけて550MWの石炭火力発電所を建設するほか、風力発電パークをメシホビナ、ポクレナチ、ボロヴァ・グラヴァ、ヴェリカ・ヴラジナで計画している。また、国内6カ所に水力発電設備を建設する。一方、スウプスカ共和国では、EP RSがガッコ褐炭火力発電所に15億ユーロをかけて330MWの発電機2基を建設する計画を進めているが、プロジェクトに出資を表明していたチェコ電力大手CEZが撤退したため、実現の目途は立っていない。

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