タバコ大手の米フィリップモリスが9月末、チェコの生産拠点であるクトナ・ホラで新工場の稼働を開始した。生産施設の刷新と拡張により、紙巻きタバコの年間生産能力がこれまでの300億本から400億本に拡大するほか、手巻タバコブロックやマルボロ・フレーバーバージョンなど新製品の製造にも着手する計画だ。従業員数は250人の増員により1,130人となる。
\フィリップモリスは1992年にタバコ公社を買収し、チェコ子会社を設立。現在、国内で54.3%、スロバキアで52.3%の市場シェアを持つマーケットリーダーで、輸出先は世界50カ国以上に上る。
\欧州連合(EU)が昨年発表した喫煙統計によると、チェコは喫煙者比率がEU平均の26%を大きく上回る36%で、欧州有数の喫煙国のひとつ。国内市場は今年第1四半期に8.5%拡大したが、第2四半期は4月の付加価値税引き上げの影響で5.8%減となった。同時に、タバコ製品の販売抑制を目指すEUイニシャティブの動きも活発で、タバコ業界の市場環境は一段と厳しくなっている。
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