ロシアの携帯電話サービス事業者ビンペル・コミュニケーションズ(ビンペルコム)は4日、エジプトのオラスコムテレコムとイタリアのウインドの同業大手2社を、エジプト人富豪ナギーブ・サウィリス氏率いる投資会社ウェザー・インベストメンツから買収することで合意、正式調印したと発表した。これにより、ビンペルコムは売上高230億ドル、加入者数1億7,400万人と世界5位の携帯電話会社に躍進する。
\合意によると、ビンペルコムはウインドに100%、オラスコムに51.7%を出資。現金18億米ドルと新株発行で支払い、ウェザー・インベストメンツはビンペルコムの株式20%を保有することになる。取引金額は非公表だが、ロシア経済紙『ベドモスチ』によると、64億米ドルと推定されている。
\オラスコムは中東・アフリカを中心に事業を展開し、加入者数は昨年9月時点で8,800万人に上る。同社の事業収入の4割を占めるアルジェリア部門のジェジー(Djezzy)は先月末、同国の税務当局から08年と09年の申告内容に不備があったとして2億3,000万ドルの追徴課税を求められるなどトラブルを抱えている。アルジェリア政府はジェジーの国有化を狙い圧力をかけているとの見方もあり、ビンペルコムとの事業統合にブレーキがかかる可能性もある。
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