2010/1/6

バルト三国

リトアニアが旧ソ連型原発を閉鎖

この記事の要約

リトアニアは12月31日、放射能漏れ事故を起こした旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所と同型で安全上の懸念があるイグナリナ原発を閉鎖した。EU との合意に基づくものだが、リトアニアは最大のエネルギー供給源を失い、電力価格の […]

リトアニアは12月31日、放射能漏れ事故を起こした旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所と同型で安全上の懸念があるイグナリナ原発を閉鎖した。EU との合意に基づくものだが、リトアニアは最大のエネルギー供給源を失い、電力価格の高騰に直面する。

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2004 年にEU 入りしたリトアニアは、EU との加盟交渉で、イグナリナ原発の2つの原子炉を閉鎖することで合意。1号機は2004年末に閉鎖済みで、残る2号機を2009年末までに閉鎖することになっていた。

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同原発はリトアニア唯一の原発で、国内電力需要の70%を賄ってきた。同国政府は、代替発電所の建設が遅れており閉鎖すれば電力不足に陥るとして、EU に閉鎖延期を求めたものの認められず、予定通り31日夜に2号機の運転を停止した。

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リトアニアはイグナリナ原発から電力供給を受けてきたラトビア、エストニア、ポーランドと共同で新たな原発を建設する予定だが、計画は遅れており、新原発稼動の目途は立っていない。当面はロシアなどからのエネルギー輸入に頼らざるを得ない状況だ。このため国内の電力価格は家庭向けが30%、法人向けが20%値上がりし、金融・経済危機で大きな打撃を受けた経済への影響が懸念されている。

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