ウクライナ最大の証券取引所PFTSは12月25日、ロシア最大の株式市場MICEXを運営するMICEXグループに株式過半数を譲渡し、同グループの傘下に入ると明らかにした。MICEXは株式取得から3カ月以内にPFTSの現経営陣と共同で、PFTSの成長戦略を作成する。MICEXにとっては初のウクライナ進出だが、ロシアのライバルRTSがウクライナのもう一つの証券市場であるウクライナ証券取引所を傘下に収めていることから、PFTS買収でRTSを追撃する。
\PFTSは発行済み株式数の50%プラス1株に当たる新株を、MICEXを割当先として発行。MICEXはこの対価として約1,000万米ドルをPFTSに支払う。PFTSはこの資金をシステムの近代化に使いたいとしているが、ウクライナ経済紙『デロ』では、PFTSはMICEXが供給したトレーディングシステム「ASTS」の支払いが滞り、事実上の身売りに迫られたとの見方を伝えている。
\PFTSのザリャ社長によると、新株発行と株式譲渡の手続きに3~4カ月かかる見通しで、今年上半期末ごろMICEXとの新たな成長戦略が整うことになるという。MICEXはまず株式市場の流動性を向上させたうえで、将来的にPFTSにレポ市場やデリバティブ市場を開設したい意向があるとされる。
\PFTSには288社が株式を上場するほか、国内外の企業が発行する社債やウクライナ政府・地方債などが取り引きされている。MICEXに譲渡される以外の残り50%の株式は、市場参加者らで構成するPFTS協会、現経営陣などが分割して保有する。
\