天然ガス世界最大手のガスプロムは1月26日、今年の欧州向け液化天然ガス（LNG）の出荷量を前年比15％増の1,608億立方メートルに拡大すると発表した。欧州向けLNGの輸出量は昨年、不況による需要低迷などにより前年比12％減の1,402億立方メートルに減少したが、景気が回復に向かっていることを受け供給量を増やす。
\欧州のガス市場で25％のシェアを握るガスプロムだが、先行きには不透明感が漂っている。米国でシェールガスなど非在来型天然ガスの開発が進み、中東のカタールでは昨年、世界最大のLNG生産設備が操業を開始したことなどにより欧州向けのガス供給が急増しており、今後ロシア産天然ガスのシェアが縮小していく可能性がある。危機感を強めるガスプロムでは、欧州市場でのシェアを維持しつつ、価格競争力を高めて新たな市場の開拓を急ぐ考えだ。なお、欧州向けLNG出荷量は11年に1,635億立方メートル、12年は1,709億立方メートルとなる見通し。
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