2010/2/24

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ブルガリアの原発建設、ロシアの支援で継続へ

この記事の要約

ブルガリアのボリソフ政権は、資金繰りに行き詰ったベレネ原発の建設計画をロシアの支援で続行する方針だ。トライコフ経済相はこのほど、ロシアの国営原子力企業ロスアトムから建設資金20億ユーロを借り入れる方向で交渉を進めているこ […]

ブルガリアのボリソフ政権は、資金繰りに行き詰ったベレネ原発の建設計画をロシアの支援で続行する方針だ。トライコフ経済相はこのほど、ロシアの国営原子力企業ロスアトムから建設資金20億ユーロを借り入れる方向で交渉を進めていることを明らかにした。同原発の工事を来年まで継続するための資金に充てるという。

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ベレネ原発の総工費は当初40億ユーロと算定されていたが、昨年7月に発足したボリソフ政権の試算では最大で100億ユーロまで膨らむ見通し。このため、同原発に49%出資するはずだった独電力大手RWEは負担増加を嫌い、昨年10月に同計画から撤退した。計画への融資に前向きな姿勢を見せていた仏パリバ、ドイツ銀行もこれまでに身を引き、資金難による建設中止が懸念されていた。

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ブルガリア政府は、RWEが撤退を発表した際に新たな投資企業を募るため、国営電力(NEK)のベレネ原発への出資比率51%を20~30%まで下げ、残りを投資家に売却する用意があると表明。今回もトライコフ経済相は、出資比率や収益面での譲歩など魅力的な投資条件を提供するとして、外国企業の参加を求めた。ロスアトムは20億ユーロの融資と引き換えに、30~35%の出資比率を要求しているという情報もある。

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ベレネ原発には、発電能力1,000メガワットのソ連型加圧水炉2基が建設される。ロシアの国営原子力会社アトムストロイエクスポルトが独シーメンスと仏アレバから部品を調達してシステム全般を納入することになっており、ロスアトムの出資が決まれば、ロシアの影響力が強まることは必至だ。

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