2010/4/21

CIS諸国

キルギス大統領、カザフへ出国

この記事の要約

中央アジア・キルギスの政変で失脚し、同国南部ジャラル・アバード州に逃れていたバキエフ大統領は15日、隣国カザフスタンに出国した。ロシアのニュースサイト『Gazeta.ru』が暫定政権の幹部の話として報じたところによると、 […]

中央アジア・キルギスの政変で失脚し、同国南部ジャラル・アバード州に逃れていたバキエフ大統領は15日、隣国カザフスタンに出国した。ロシアのニュースサイト『Gazeta.ru』が暫定政権の幹部の話として報じたところによると、同大統領は出国前に辞表に署名しており、事実上の亡命とみられる。

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キルギスでは7日、野党支持者によるデモ隊と治安部隊が衝突し、少なくとも84人の死者が出る事態に発展。野党勢力が暫定政府の樹立を宣言する一方、大統領は出身地で支持基盤の厚いジャラル・アバードに逃亡し、野党側が求める辞任を拒否するなど対立が続いたため、同国に軍事拠点を置くロシアと米国、欧州安保協力機構(OSCE)の議長国を務めるカザフスタンが事態打開に向けて暫定政権とバキエフ陣営の仲介に乗り出していた。バキエフ氏は13日に記者会見し、自身と親族の安全保証を条件に辞任すると表明。15日にジャラル・アバードから軍用機で出国し、同日夜にカザフ南部のタラズに到着した。その後同国の首都アスタナに向かうとみられる。インタファクス通信によると、バキエフ氏の亡命先はトルコかラトビアが有力だという。

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バキエフ氏の出国についてカザフスタンのサウダバエフ外相は、「キルギスでの内戦を回避し、安定化につながる重要な一歩」との声明を発表。ロシアと米国はオトゥンバエワ元外相を首班とする暫定政権への支持を表明しており、ロシアは5,000万米ドルの金融支援を暫定政権に約束、米国もブレイク国務次官補(南・中央アジア担当)が首都ビシュケクを訪問し、オトゥンバエワ氏に支援の用意があることを伝えている。

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