旭硝子は5月27日までに、モスクワ郊外の子会社工場で世界最大のガラス製造窯を稼動させた。現地経済紙『ベドモスチ』が伝えた。この新型製造窯の生産能力は、フロートガラス日産1,000トン。同社はロシア建築用ガラスのシェア3分の1を占めて首位に立っているが、新型窯の稼動でさらにシェア引き上げを目指す。
\旭硝子が新型窯を稼動させたのは、子会社AGCヨーロッパのクリン工場。同社は2007年に新型窯の設置計画を発表、09年に稼動させる見込みだったが、経済危機によりずれ込んでいた。投資金額は1億5,000万ユーロ以上。クリン工場にとっては、2番目の製造窯となる。
\製造されたガラスは、自社工場で多層の省エネ・防寒ガラスやミラーなどに加工され、ロシア国内に供給される。ロシアガラス連盟会長顧問のゴルシュコフ氏は、増産される旭硝子の製品は、同国建築用ガラスの15~20%を占める輸入品より価格面で有利だとして、「旭硝子のシェアは50%以上に達する可能性がある」と予測。また「5~7年で投資資金を回収できるのではないか」とも言及した。
\『ベドモスチ』紙によると、クリン工場の08年売上高は44億5,000万ルーブル、純利益は2,080万ルーブル。同年末の有利子負債は47億ルーブルに上っていた。(1RUB=2.9JPY)
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