国際通貨基金(IMF)は3日、ウクライナ政府と149億米ドルのスタンドバイローン協定(SBA)締結で基本合意したと発表した。ウクライナ議会による財政均衡措置の可決を待って、月末にも正式決定する見通し。融資の一部はこの夏にも実施されるとみられる。
\ウクライナは2008年、IMFから164億米ドルの融資枠を確保し、実際に110億米ドルの融資を受けた。しかし、大統領選挙を控えた昨年末、当時のユーシェンコ大統領が条件の厳しさを理由に借り入れを中止した。ユーシェンコ氏らを破って当選したヤヌコビッチ新大統領が、今春からIMFとの協議を再開していた。
\一方、ハンガリーのマトルチ経済相は2日、2010~11年にIMFと欧州連合(EU)から100~200億ユーロの支援を要請する方針を示した。緊急性の高いものではなく、構造改革推進に向けた予防的な性格のものと説明している。
\同相はまた、10月末で期限が切れるIMFとEUによる現行の総額200億ユーロの融資枠を、年末まで延長したい意向だ。この融資枠は2008年のリーマンショックによる財政危機を救う目的で設定され、ハンガリーはこれまで140億ユーロの融資を受けている。
\同相によれば、今年は新規債務の対国内総生産(GDP)比率を目標どおり3.8%以下に抑えられる見通しだ。ただ、来年の目標である3%は達成が難しいとみている。
\ウクライナとハンガリーは東欧・CIS諸国のなかでも経済危機のあおりを最も強く受けた。膨大な政府債務を抱えているうえ、国内金融業界が外貨に強く依存しているためだ。ウクライナ経済は2009年に15%も縮小、ハンガリー経済も6.3%の後退を記録した。
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