2010/7/28

総合・マクロ

カザフ産ウランの輸送ルートを短縮、日本が調査へ

この記事の要約

日本政府が、カザフスタンのウラン燃料をロシア東部経由で輸送する可能性を模索している。同国のウラン採掘事業に参加する日本企業の負担を軽減するのが狙い。ブルームバーグが23日、経済産業省関係者の話として伝えたところによると、 […]

日本政府が、カザフスタンのウラン燃料をロシア東部経由で輸送する可能性を模索している。同国のウラン採掘事業に参加する日本企業の負担を軽減するのが狙い。ブルームバーグが23日、経済産業省関係者の話として伝えたところによると、来月から6カ月にわたって調査を実施し、実行の可能性を探る。今月中に正式発表される見通しだ。

\

カザフ産のウラン鉱石は現在、ロシア西部のサンクト・ペテルブルクを経由して輸出されている。米国、カナダ、フランスなどでの濃縮作業を経て、日本の原子力発電所に届く。

\

調査では、ロシア国内で濃縮し、ウラジオストク近辺の港から日本へ運ぶことを想定。陸上輸送インフラ、倉庫設備、港湾施設について、安全性、処理能力などを調べ、実行できるかどうかを検証する。濃縮作業の候補地としては、シベリア南東部に位置し、シベリア鉄道が通るアンガルスクが挙がっているようだ。

\

日本はウラン燃料の安定供給を確保するため、豪州とカナダへの依存を弱め、供給元を分散化する方針をとっている。カザフスタンにおけるウラン採掘事業に丸紅、東京電力、住友商事、関西電力などが乗り出しているのも、それが理由だ。ロシア東部を通じた輸送経路が確立されれば、これらの企業の経済的負担が軽減される。

\

カザフスタンは2009年、ウラン生産量でカナダを抜いて世界1位となった。(図を参照)

\