2010/8/11

ロシア

ロシア政府、穀物輸出を禁止

この記事の要約

ロシアのプーチン首相は5日、今月15日から12月31日まで穀物および穀物製品の輸出を禁止すると発表した。50年来最悪といわれる干ばつで、国内の取引価格が急騰していることを受けた措置。国内の需要を満たして価格の安定化を図る […]

ロシアのプーチン首相は5日、今月15日から12月31日まで穀物および穀物製品の輸出を禁止すると発表した。50年来最悪といわれる干ばつで、国内の取引価格が急騰していることを受けた措置。国内の需要を満たして価格の安定化を図る。2012年の大統領選を控え、来年の備蓄を確保しておきたいという政治的思惑もあるようだ。来年1月以降の対応については、実際の収穫量を把握した上で10月以降に決定するもよう。

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輸出規制の対象となるのは、小麦、大麦、ライ麦、とうもろこしおよび小麦粉、ライ麦粉の6品目。ロシア政府は近年、穀物を戦略輸出品と位置づけて世界市場シェアの拡大に努めてきたが、今回の禁輸措置で一歩後退を余儀なくされそうだ。

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プーチン首相によると、今年の穀物収穫高は600万トン強で、前年を約40%下回る見通し。現在の穀物備蓄量は2,150万トンで、これまでに放出の必要性が認められたのはそのうちの950万トンに上る。放出に当たっては、通常の競売方式ではなく、酪農家やパン屋など、需要家の必要に応じて穀物を支給する方式をとる。これにより、価格のつり上げを防ぐ意向だ。

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政府はまた、農業経営者向けに100億ルーブルの助成と250億ルーブルの低利貸付(期間3年)を実施する方針を打ち出している。(1RUB=2.86JPY)

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