ポーランドのアダム・ギエルシュ・スポーツ・観光相は20日、2012年にウクライナと共同で開催するサッカーの欧州選手権(ユーロ2012)がポーランドにもたらす経済効果は280億ズロチ(91億米ドル)に達するとの見方を明らかにした。
\欧州選手権は、欧州サッカー連盟(UEFA)が主催するナショナルチームによるサッカーの大陸選手権。4年に1度、ワールドカップの中間年(夏季五輪と同年)に開催される。ギエルシュ大臣によると、12年にユーロ2012を観戦する目的でポーランドを訪れる観光客は100万人に上るとみられる。また、大会終了後も観光客の増加傾向は続くと予測されており、20年までに50億ズロチの観光収入が上乗せされる見通しだという。観光よりも経済効果が大きいのはスタジアム建設などインフラ投資で、09年は国内総生産(GDP)を2.1%押し上げた。
\熱心なサッカーファンとして知られるドナルド・トゥスク首相率いる中道右派政権は、サッカーをはじめとするスポーツ振興に積極的に取り組んでおり、全国に1,285カ所あるグラウンドを年内に1,850カ所に増やす計画。ただ、ポーランドのナショナルチームはワールドカップ南アフリカ大会への出場を逃したほか、最近行われた国際試合でも敗北が続いている。ギエルシュ大臣は、「ポーランドサッカーの現状は、ユーロ2012の成功への最大の脅威だ」と述べる一方で、「我々はどん底状態にあり、これ以上は悪くなりようがない。後は這い上がるのみだ」と前向きな姿勢をみせた。(1PNL=●JPY)
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