2010/9/1

チェコ・スロバキア

スロバキア、家電産業が好調

この記事の要約

スロバキアの基幹産業であり、同国の経済をけん引してきた自動車産業は、金融危機で大きな打撃を受けた。長らく同国最大の輸出企業として君臨してきた独フォルクスワーゲンの子会社VWスロバキアが昨年、韓国サムスン電子の子会社に売上 […]

スロバキアの基幹産業であり、同国の経済をけん引してきた自動車産業は、金融危機で大きな打撃を受けた。長らく同国最大の輸出企業として君臨してきた独フォルクスワーゲンの子会社VWスロバキアが昨年、韓国サムスン電子の子会社に売上首位の座を奪われたのはその象徴だと言える。

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VWスロバキアはブラチスラバ近郊に工場を構え、アウディ「Q7」とVW「トゥアレグ」、ポルシェ「カイエン」などの生産を手がけるが、金融危機の不況で消費者の嗜好がこれらの大型SUVから低価格で低燃費の小型車にシフトしたことが痛手となり、2009年の売上高は前年比43%減の29億4,300万ユーロに後退した。

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対照的に好調なのが家電産業だ。家電メーカーの進出が本格化したのが比較的最近なことも手伝って、家電産業は金融危機の最中にプラス成長を維持した唯一の産業となった。台湾の鴻海精密工業はソニーからニトラの工場を買収、同じく台湾の友達光電は、1億9,000万ユーロを投じて液晶パネル後工程モジュール(LCM)工場を建設している。このほか、パナソニックや地場系テスラ・オラヴァなどの有力メーカーも操業している。スロバキアの液晶テレビの生産台数は今年1,100万台に達する見込みで、世界有数の生産国となる。

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