ロシア最大の自動車ショーであるモスクワ国際モーターショーが8月25日開幕した。金融危機の打撃から順調な回復を遂げる同国の自動車市場に、メーカー各社は新型車投入や現地生産の拡大を急いでおり、成長市場を巡る各社の販売競争が激化しそうだ。
\モスクワ・モーターショーは、世界30カ国から自動車関連企業約600社が出展、今月5日まで開催される。トヨタ自動車が大型多目的スポーツ車(SUV)「ハイランダー」の新モデルを世界初公開するほか、フォードは「モンデオ」と「フォーカス」の次世代モデルを、フォルクスワーゲン(VW)は、「ポロ」をベースにしたロシア市場向け新型セダンを公開する。
\欧州ビジネス協議会(AEB)がまとめたロシアの7月の新車販売は前年同月比48%増、1~7月の累計では9%の増加となった。堅調な資源価格を受けて個人消費が回復しているほか、政府の需要喚起策も追い風となっている。一方、欧州の新車販売は上半期に前年同期比0.6%のプラスに止まっており、ロシア市場の好調さは際立っている。
\需要の回復を受け、ロシアに進出する各メーカーは、生産増など事業拡大に舵を切っている。フォードはサンクトペテルブルク工場の従業員を200人増員した。ロシア現地法人のオヴェンデン社長によると、生産台数を昨年の4万2,000台から8万台に引き上げる計画。また、同じくサンクトペテルブルクで操業するトヨタも今年の生産を昨年の8,310台から1万4,000台に拡大すると表明している。
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