ロシアのメドベージェフ大統領は5月7日、4年間の任期の折り返し地点を迎えた。政府機関紙『ロシスカヤ・ガゼータ』は、メドベージェフ政権のこれまでの評価と、今後の政治の動向について、専門家の意見を掲載している。
\近代発展研究所のアレクセイ・ボーリン所長:大統領は過去2年間に、2つの過ちを回避した。1つは意思決定において彼の前任者に完全に依存する受身な大統領であること。2つめはプーチン首相と完全に袂を分かつこと。大統領は、プーチン首相に忠誠を示す一方で、独自の政治姿勢を打ち出すことで、(任期が切れる)2012年以降もロシアの政治に欠かすことのできない存在となった。内務省やその他の省庁の改革で見られるように、大統領の政治手法は強硬な面もある。彼は誰がボスであるかを明確にし、部下に対し相応しい態度を要求する。とはいうものの、「カチンの森事件」に関する秘密文書の公開に象徴されるように、大統領の政治姿勢は前任者よりはるかにリベラルであると言える。
\ジャーナリストのヴィタリ・ディマルスキー氏:過去2年間で国家権力の透明性が増したのは、大統領がインターネットの普及に取り組んだことも影響しているだろう。議会政党の活動に関する報道を国営マスメディアで保証することや、小政党への議席配分などは評価できる。テレビ放送でも以前より活発に議論が行われるようになった。
\政治学者のニコライ・スロビン氏:メドベージェフ大統領は、ロシアの国益を守るだけでなく、グローバルな問題の解決にも積極的に関与する用意があることを国際社会に示し、その存在感を増してきた。米国との関係改善に成功し、欧州連合(EU)や東欧とも良好な関係の構築に向け努力を続けている。キルギスやウクライナなど旧ソ連諸国とも連携を強化するなど、国際関係を安定させたことは功績だ。一方で、中国や中央アジアでは依然として安全保障上のリスクは高く、今後2年間も安穏とはしていられないだろう。
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