スロバキアの中道右派政権は8日、付加価値税率引き上げを含む財政健全化策を閣議決定した。増税と歳出削減を通じて2013年までに財政赤字を半減させることを目指す。7月に政権に着いたラディツォバー首相は、「増税なき財政再建」を公約としていたが、早くも軌道修正に踏み切った。
\来年1月から、ほぼ全てのモノ・サービスについて付加価値税(VAT)の税率を現行の19%から20%に引き上げる。財政赤字が安定成長協定の基準である3%を下回った時点で、19%に戻す。増税によって1億6,000万ユーロの歳入増を見込む。
\スロバキアの財政赤字は今年、国内総生産(GDP)の7.8%、来年は4.9%に達する見通し。政府は2013年の基準達成を見込んでいるが、最終的判断はEU統計局(ユーロスタット)の統計結果が出る2014年にずれこむ。このため、税率引き下げは早くて2015年1月1日からとなるもようだ。
\財政健全化策ではほかに、◇公務員2万人削減◇たばこ、ビールなどの嗜好品の消費税率引き上げ◇税金・社会保険料の優遇措置の撤廃――などが予定されている。8億ユーロの歳入増を目指す一方、歳出面では、公共調達の見直しや年金制度改革などにより支出を10%カットし、9億ユーロの節減効果を狙う。これにより、全体として17億ユーロの財政負担減を目指す。
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