2006年に完全解体した旧ユーゴスラビアの構成国の間で企業間の協力が活発になっている。マーケットの拡大によるスケールメリットや業務効率化が期待できるためで、協力の範囲は航空、鉄道、宝くじなど幅広い分野にわたっている。
\セルビアのJAT航空とモンテネグロ航空は先月、10月31日から旅客事業を統合すると発表した。重複する路線の統合によって運航の効率化を図ると共に便数を増やし、競争力のある価格でサービスを提供するのが狙い。セルビアのミリコビッチ航空政務次官は、スロベニアやクロアチアなどの他の旧ユーゴ諸国の航空会社にも参加を呼びかけている。
\スロベニア、クロアチア及びセルビアの3カ国は7月下旬、鉄道連合の設立で合意した。スロベニアの首都リュブリャナに合弁会社を設立し、10月から営業を開始する。鉄道連合の発足により輸送が効率化され、リュブリャナからイスタンブールまでの所要時間は現在の57時間から35時間に大幅に短縮される。この合弁事業にはマケドニアが参加を表明しており、ボスニア・ヘルツェゴビナも関心を示している。
\クロアチア、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、スロベニア、モンテネグロ及びコソボの宝くじ運営会社は7月末、6カ国共通の宝くじの創設で合意した。宝くじのスタイルはクロアチアで行われている「Lotto/50」を採用する。これは、50の数字のうち5つの数字を選択するというもので、1~12のボーナス数字もある。6カ国の宝くじを統合することでより高い賞金額を設定することが可能になり、参加者の増加が期待できる。
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