ハンガリーとルーマニアを結ぶ天然ガスパイプラインの開通式が14日、ルーマニアとの国境に近いハンガリーの町Csanádpalotaで行われ、両国の首相が参列した。同パイプラインは、2年前にロシアがウクライナとの対立を理由に欧州へのガス供給を停止し、東欧経済が大きな打撃を受けた事態を教訓に敷設されたもので、ガスを双方向に供給できる。このため、ロシアからのガス供給が再びストップする事態が起きても、以前より迅速に供給を調整することが可能だ。また、将来的には、欧州企業が建設するナブッコ・ガスパイプライン、その競合プロジェクトであるロシアのパイプライン「サウス・ストリーム」の支線としても利用できる。
\ハンガリーのセグドとルーマニアのアラドを結ぶパイプラインの全長は109キロメートル。年30億立方メートルの天然ガスを輸送できる。ハンガリー石油・ガス大手MOLの子会社FGSzとルーマニアの天然ガス輸送会社Transgazが敷設した。
\パイプラインの建設には欧州連合(EU)が1,700万ユーロの補助金を支給。FGSzによると、ハンガリー側の全長は47キロメートルで建設費は3,330万ユーロだった。現在はハンガリーからルーマニアにガスを供給しており、稼働率は55%に上るという。
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