2010/10/27

総合・マクロ

中東欧は財政再建と銀行システム回復を=IMF報告書

この記事の要約

国際通貨基金(IMF)は20日発表した中東欧経済の見通しに関する報告書で、各国政府は経済成長を促すため、財政赤字の削減と銀行システムの修復を進める必要があるとの認識を示した。\ 中東欧諸国は、金融危機を契機に欧米の投資家 […]

国際通貨基金(IMF)は20日発表した中東欧経済の見通しに関する報告書で、各国政府は経済成長を促すため、財政赤字の削減と銀行システムの修復を進める必要があるとの認識を示した。

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中東欧諸国は、金融危機を契機に欧米の投資家がいっせいに資金を引き揚げたため通貨が急落し、財政赤字も拡大。債務不履行(デフォルト)寸前の状況に追い込まれる国も出てきたことから、IMFや世銀、欧州連合(EU)が救済に乗り出し、ハンガリー、ラトビア、ウクライナ、ルーマニア、セルビアに総額1,000億米ドル融資を供与した。国際的な支援を受けて中東欧経済は回復に向かい、2009年に6%のマイナスだった経済成長率も、10年は3.8%、11年に3.9%のプラスに復調する見通しとなっている。

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IMFは、「欧州新興国の政策当局者は金融危機の負の遺産に対処するという難しい課題に直面している」と指摘。政府に課せられた責務として、債務を持続可能なものにするため財政赤字を圧縮することと、与信を回復させる一方で、銀行システムを修復すことの二点を挙げた。

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中東欧地域の財政赤字の対国内総生産(GDP)比率は、08年の平均ゼロ%から09年は6%に拡大。公的債務も対GDP比で24%から30%に拡大した。IMFでは、財政赤字比率は今年が5.2%、11年が4.1%に改善するものの、公的債務比率は10年に30.8%、11年に32.1%に悪化すると予測している。

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